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2021年05月11日
【プレスリリース】本田諒 助教らの研究グループがRAS阻害剤の開発に成功しました。
本研究科本田諒 助教、赤尾幸博 特任教授、上田浩 教授らの研究グループは、RASタンパク質1)を阻害する新規薬剤の開発に成功しました。RASタンパク質は約30%のがんで活性型に変異していますが、これまでの技術ではRAS阻害剤を設計することが困難でした。本研究グループは細胞膜透過性タンパク質2)というユニークな分子を多数合成し、この中からRAS阻害剤を見出すことに成功しました。本剤は革新的な抗がん剤に発展することが期待されます。
本研究成果は、2021年5月8日(土)にCell Chemical Biology誌のオンライン版で発表されました。
1) RASタンパク質: もともとは細胞の増殖などの機能に関与しているタンパク質です。しかし、がんの約30%では活 性型に変異しており、これががんの増殖や転移などの主原因になっています。RASの変異にはG12C、G12V、G12D、Q61Rなどさまざまなタイプがあります。
2) 細胞膜透過性タンパク質: ふつうのタンパク質は分子量が大きすぎるため、細胞膜を通過して細胞の中に入ることができません。しかし、特殊なペプチドやリポソームなどでタンパク質を修飾すると細胞の中に入る場合があります。このような特殊なタンパク質を細胞膜透過性タンパク質と呼びます。
詳しくは岐阜大学HPでご確認いただけます。